問題行動解決/普通学級でのオペラント条件づけ(褒め褒め大作戦)
27才になるうちのセブンお嬢を見てきて、最近はセブンの感情の表出が豊かになつてきたように思います。
かつて療育センターで一番、自閉症で重度の知的障害と言われていたのですが。
ネガティブになっても何も良いことは無いと考える主義の私は、常にポジテイブでした。
(小学生時に虐待でネガティブで暗く辛い精神状態をサバイバルしてきた私なのでかなり年季の入ったサバイバーです。ゆえにポジテイブシンキング)
最近のセブンお嬢は、鼻で笑いよります(;^ω^)
申し訳ないのですが行動の問題まっさかりのお子さんがヘルパーさんに二人がかりで連れ帰られるとこを見たセブンお嬢が「フフっ」と鼻で笑いよりました。ご本人に気づかれない後ろだったので良かったのですが。吠えるその方を見て「鼻で笑った」(@_@;)いけないことですが、セブンにしたら凄い進歩なのです。学童期はバカにされることが多かったセブンお嬢で、感情の表出もそんなにはなかったわけですから。
はじめて優越感を持った? その方の横を平然と通り過ぎました。本人に気づかれないところで鼻でわらったけど。
本人の横を通る時はなにげない様子で通り過ぎました(@_@;)
それって配慮?まるで私がやってきたオペラント条件づけみたい(驚)
最近感情表現が豊かで、私の怒っている顔も、嬉しそうな顔もよく理解しているようです。怒った顔だけでビビるセブンお嬢です(笑)めちゃ素直だし。
生活のほぼすべてが自発的だし。(親ばかはこのへんにして)
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荒れのピーク時の解決法
荒れのピークは以前にも書きましたが小3のころで、通常学級での周りの軋轢からであろうと思います。反対を押し切って強引に私がクラスに入り込み付き添うことで、問題行動を防ぎ、セブンの心の支えにもなりました。
おまけとして、男子数人が「おばちゃん、セブンをイジメてたのはあいつやで○○君。僕はやってないで」ほかの子が「お前もやっとった」「お前こそ」「おばちゃん、もういじめたりしないからゴメン」と(@_@;)
親が出ていくだけで抑止力になるのですね。突然変なおばはんが教室に入り込んでセブンにべったりつきそっているわけで。
イジメっ子たちは何も言わないでもビビったようです(笑)www
最初から普通学級に通わせることで、予想できる問題でしたので、はじめから覚悟ができていたと思います。
諸刃の剣の普通学級ですが、問題はあっても解決できるパワーがあれば、「自閉症で重度知的障害児」にとって普通学級こそが発達を助ける環境であると今でも思っています。
支援学級の問題点などなど
支援学級(当時は特殊学級と言いました)は初めから拒否してきました。見学はしましたけどね。
こういう事を言うとわが子の障害を受容できない親のゴリ押しと思われるかもしれませんが、当時の地域の小中学校は「障害があっても地域の小学校へ」という地元で障害児を受け入れる運動のあった地域で普通に普通学級に通えました。
でも特殊学級はあることはある小学校もありました。
軽度のお子さんは周りの子と自分の違いを理解していることも多く、支援学級や支援学校に行けば「エリート」としてチヤホヤされると言うメリットがあると思います。
言葉の無い重度知的障害児は支援学校(当時は養護学校と言いました)でも一番ビリで、一番後回しにされがちなのです。
多動だとほぼ放置状態になります。先生一人で3人以上を見るわけですから。
◎おかしな話に聞こえると思いますが、軽度のお子さんは場合によれば支援学校が適切かもしれません。
重度障害児は親に精神的パワーがあれば、絶対に普通学級が良いです。
ただし受け入れ先の先生方のスキルとハートにもよりますが。
授業中の抽出通級も拒否し、放課後に通える「ことばの教室」には通いました。(そこは軽度のお子さんばかりでしたが、マンツーマンで親も介助に入ります。りょいくのテクニックをいろいろ教わりました。
(今も「ことばの教室」ってあるのでしょうかね?)
重度障害児が普通学級に通うメリット
◎子ども集団のエネルギーはそこに居るだけでパワーがあります。パワーを吸収します。それは見てきた人にしかわからないようなことだけど。
(例えば健常児だって、保育園や幼稚園で食事の好き嫌いが克服される。みたいな子ども集団のエネルギーがありますね)
◎普通学級こそ「構造化」されている。「構造化」とはわかりやすく表示されているような事です。(トイレのマークや、駅の乗り継ぎ案内なども構造化の例ですね。)
◎みんなが一斉に同じ事をする普通学級というのはわかりやすいのです。
特殊学級では机は隅に追いやられて、絨毯敷きで、部屋も冷暖房完備でした。「ここなら暴れまわっても良いのですよ」
と、にこやかにおっしゃる特殊学級の先生((+_+))暴れまわるのを強化してどないすんねん!
なんのために3才から座る並ぶ訓練してきたと思ってるねん!と心の中でキレていた私です(;^ω^)
「同年代のみんなと同じ体験」をさせたいから普通学級を選択したのです。
困難は想定内で自分で解決できる自信がありました。
セブンお嬢のメンターとして(心の支え)になる自信が私にはありました。
信念があったというか。
親の信念の影響も子どもに即伝わります。
ハッタリでもいいから 自信 持ってください。
親の心の状態が子どもにも伝染します。
多少、心理学を子どもの生まれる前から勉強してきたせいかもしれません。
うぬぼれで言っているわけでなく、親の精神状態が子どもに伝染することを知っていたから、あえてポジティブにしていたという面もあります。
オペラント条件づけとは
私がやってたことは、私の本能的なオペラント条件づけです。
古典的条件づけはパフロフの犬のように、エサを見てよだれを垂らす犬が、ベルを鳴らしてからエサを与えると、ベルの音を聞いただけでよだれを垂らすと言ったものがあります。
これを古典的条件づけと言います。
オペラント条件づけと言うと難しく聞こえますが、実は簡単で。多くの親御さんがやっていることです。
好ましい行動をしたら「褒める」ということです。この「褒める」という働きかけで「好ましい行動」が強化され、自発的に「好ましい行動」をするようになります。
つまり健常児なら当たり前の、机の前に座って授業中じっとしている事を、障害児には「座っていられる事」を「褒める」わけです。
よく幼稚園でトークンとして、園に来たらカバンを置くとか、連絡帳を出すとか一連の行動をしたらシールを貼ってもらえる。というのがありましたが。
うちの子もやってましたが、シールはオペラント条件づけとしては失敗です(笑)
別にシールもらっても嬉しくないし(笑) それよりも先生に褒めてもらうほうが良いです。シール溜まったらご褒美がもらえるというのも、重度だと理解していませんから。(;^ω^)
それ無駄です。とは言わずだまってさせてましたけどね(;^ω^)(そこは世渡り上手的にw)
そういうことも習慣となると黙っていても、毎日の習慣としてやるようになります。
シールの効果ではありません(;^ω^)
間違った条件づけ
困った行動をした時に「叱る」というのは重度知的障害児にはやってはいけない事です。いや、だれにでも叱られてばかりは悪影響あります。
なぜ叱られているかわかりませんから。
困った行動は、「やりとげる直前に静止する」これにつきます。
はじめは24時間はりつく気構えで子どもから目を離さないことです。
と、言っても子どもを凝視してはいけません。
平常心でなにげなく、目の端で観察します。本人と目があってはいけません。
「好ましい行動」の時は、しっかりアイコンタクトして満面の笑顔でほめまくり、ハグして、なでなでや拍手します。ミュージカル女優ばりにオーバーにやったほうが良いです(笑)
古典的カナー型自閉症は「人の表情」がわからないと言われてましたね。
また、サリーとアンの実験でしたか?記憶はさだかでは無いですが。
自閉症児はウソが見破れないという実験もありましたね。
それウソちゃうん?と今は、思う私。
たしかに幼少時は無表情なセブンお嬢でしたが、笑かせようと働きかけるとよく笑いました。
しかし「荒れ」のピークだった小3の頃のセブンお嬢は「ボール投げ」に入り込んでいました。自己逃避だったのかもしれません。
それでも常にセブンを信じていました。
信じる事の大切さ
たとえどんな「荒れ」を見せても、それは一時的な事で、必ずセブンお嬢は良くなる。
当時としては根拠の無い、子どもを信じるということですが。
やはり「信じる」ということのパワーも、不思議な改善効果があったように思います。
セブンがハマったボール投げですが。
神業のゾーンに入ったのは、自己防衛本能なのか???
厳密に言うとボールではなく、直径5cmくらいで厚さ2~3cmの圧縮された「タオル」でした。平べったい円柱形にポリエチレンでパッケージされたものです。
重さと形状がセブンの手にフィットしてちょうど扱いやすかったようです。
それを真上に放り投げてキャッチするのです。
しかもその円柱を目で見ることなく、天井近くまで放り投げて、顔をまっすぐのまま微動だにしない状態でキャッチするのです。
私も真似してみましたがキャッチできません。
それはそれは神業でした。座頭市かと思いました。そのキャッチは数カ月くらい続きました。パッケージが破けるとタオルがほどけるのでまた新しい圧縮タオルを与えていました。
キャンプ場でも真上キャッチボールは続きました。
そのキャッチボールをしている時は、ゾーンに入ったようにポーン、ストン。をリズミカルに繰り返し、多動はしません。一時間もすると飽きます。
「凄いなー。上手だなー」と褒めて強化してしまったのかもしれません。
そればっかりはさせてませんが。タオルをしまって海で泳いだりしていました。
その神業は大人になった今はできません。なんだっのだろう?あれは。
問題行動は未然に防ぐ
話がそれましたが、問題行動(他の人に掴みかかるなどの他害行為)を改善するには、未然に防ぐ。これにつきます。
24時間見張って未然に防げと言うと、そんな事、無理と言われますが。
私はやりました。
短期的に、24時間見張って、未然に防ぐのと。
長期的に「問題行動」を起こさせて、謝ってまわるのと、どちらが良いですか?
中には本人が大人になって、周りから止められて、または「問題行動」に飽きて治まった例もあるかもしれませんが。
大人になっても問題行動が治らない人は、強度行動障害に移行するように思います。悲しいことですが。
もちろん本人の「重度」の障害の重さにより、どんな関わりも、たちうちできないような「問題行動」もあるかもしれません。
しかしうちの子は療育センターでもっとも重度と判定されていました。
大人になって
現在はとても落ち着いていて通所施設に喜んで通い、問題はなにもありません。
洗濯にハマって、手動洗濯機をグルグル回して、脱水機に入れて、干すというところまで一人でやってくれるようになりました。
うちの洗濯ものの大部分をセブンお嬢が全部一人でやってくれます。干し方は直しますけどね。
小学生のころは、ここまでできるようになるとは、予想してはいませんでした。
ただ「きっと良くなる」と信じて、好ましい「当たり前の事」もめいっぱい褒めて、好ましく無い行動は「未然にふせぐ」ただこれだけです。
小学生のころ、毎月通っていた発達外来やセッシヨンで「自己肯定感の強い子やね」と言われてました。
そのころのセッションはスケジュール表に従って一連の行動をするもので。
当時、「応用行動分析の本」を紹介してもらいました。「お母さんはできているけれど、こんな本もあるので良かったらと」
もちろん、買ってスキルの補強しました(笑)
発達外来のセッション
児童精神科医さんや指導員さんがいろんなかかわりを月に1~2回していただけました。20数年前に当時そういうセッションを受けられる子はとても少なかったと思います。大阪から車で往復3時間かけて通ってました。京都市民でもないのにどうして受けられたのかしらん?京都市立の発達外来でした。
プロの研究会にも参加させてもらっていました。
発達診断などで使う、知能テストのK式を発案されたとこです。
ネジを10個数えて袋に入れることや。パズルのようなもの。自動販売機のおもちゃでコインを入れてジュースを出す。洗濯物をピンチで挟んで干す。ことや、スパゲッテイを一人で作るとか。だったと思います。いろいろしたけれど忘れてしまいました(;^ω^)
一連のことができたら褒められる。それが今頃、大人になって自発的に定着したようです。
当時はつまらなさそうにやってました(笑)
問題行動を未然にふせぐコツ
問題行動を未然に防ぐコツですが。凝視しないで、なにげなく目の端で観察していても。
問題行動を起こす前の状態の筋肉の動きに気が付くと思います。
武道をされている方はわかると思います。動く前の筋肉の微妙な動きです。
誰でも見続けていたらわかると思います。
誰かに掴みかかろうとする→ 筋肉に力が入る。すぐわかりますよ。
それを片手で静止できるようになります。
いくらすばしっこい子でも、行動に起こす筋肉に力を入れかけた状態で静止すると簡単に静止できます。筋肉に力をいれた準備段階を見過ごすと、ダッシュされて、それは捕まえられません。まず静止できる位置にはりついている必要があります。
そして筋肉の動きがわかった瞬間に触って注意をそらすのです。
なにげない感じで、「ほらあそこ。あそこに海があるんだよ」とか。お腹の前を片手で静止しながら反対の方向を指差して注意をそらすのです。
暴れる場合は、手を下にひっぱって座らせてしまいます。羽交い絞めにして抑えようとすると、とてつもなく力がいりますし。本人のどこかを傷めてしまうことにもなりかねません。
その点、下に向ける力は少ない力で効果的です。腕を持って真下にひっぱる。膝を後ろから膝かっくんさせて座らせてしまいます。座らせたら本人が落ち着くまで、暖かい手で背中などに当てて手を置いておきます。赤ちゃんをあやすように手先でポンポンしたり、なでても良いです。スキンシップしつづけて本人が落ち着くまで待ちます。
よく療育行動療法的にクールダウンとして別室に連れ出すというの。あれは私は反対です。
人手の無い施設などでは閉じ込めるのも、いたしかたない方法だと理解はしますけどね。
そんなクールダウンは、本人に罰として、否定的な感情を植え付けるだけだと思います。
問題行動に関わる人は「平常心」が大切です。
ポーズでも良いので「なんでもないこと」という態度が良いです。むしろ感情を抑えて無言で無感情で起こした問題を片付けます。
(物を壊したり物とかを、片付ける)無表情でクールにさっさと片付けてしまいます。
その時に本人をなだめたりは絶対にしません。
問題行動には、感情を抑えて、なにげなくすばやく事を処理します。
本人に感情の影響を、刻み込ませてはいけません。
何事もなかったようにすばやく処理します。
周りの反応を引き出したくて、問題行動をしてしまうこともあります。
しかしたいていは、周りの不適切な関わりに対する抗議が、きっかけになることが多いように思います。
そして気分転換に場所を変えることは良いことです。
場所を変えて楽しくしてしまうと「問題行動」の報酬になってしまい。報酬を期待して「問題行動」を起こすという悪循環にもなります。
当分の時間はクールに。「何か褒めやすい事」をやらせて褒めるのも良いと思います。
これは重度知的障害の場合の対処法であって、軽度のお子さんには言葉がけのほうが良いケースもあると思います。
しかし軽度のお子さんにも、「良い行動の当たり前の事」をしたときにも「褒める」ということは、自発的に良い行動をするようになっていくと思います。
だれしも褒められたいものですよね。
かくゆう私、褒められると高所恐怖症だけど、木でも火の見やぐらでも、登ってしまいます(笑)
関連情報として、こちらもお読みください。
問題行動は、こうやって改善した。他害行為のあった小3のころ | 工夫くふうkuhuuくふう工夫 : https://kuhuu.info/2017/01/17/mondai/
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