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そこはかとなく愉しからずや

自閉症や鬱病の原因になる腸内微生物がわかりました。脳は腸から派生した臓器です。

現在では、腸内細菌が、脳内の情報伝達やエネルギー代謝に関わる物質の産生に、影響を及ぼすことがわかってきて、うつ病や自閉症、認知症や、脳の機能障害による症状に腸内環境の改善を第一に考えるサイコバイオティクスという試みが始まっています。

また大腸ガンや潰瘍性大腸炎や大腸ポリーブなどの大腸の病気には、悪玉菌が作り出す有害物質がかかわっていることもわかっています。

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すぐにキレたり、落ち込んだり、集中力がなくなったり、頭の働きが鈍くなる原因は、

脳が正常に働くための脳内物質である神経伝達物質が、腸内の細菌の種類によって上手く作られなくなって、神経伝達物質が少なくなったり、特定の神経伝達物質が過剰に作られてしまうからではないかと言われています。

さらに腸内にはデブ菌や、やせ菌と言われるような、宿主を太らせる微生物や、反対に痩せる微生物がいることがわかってきています。

女性は便秘が多く、男性は下痢が多くなったり腸内疾患になる方が増えています。

消化器内科の患者さんで多いのは、過敏性腸症候群という病気で、腸に炎症はないのにストレスなどで腸内環境が悪くなる症状があります。

腸と脳は互いに影響しあっており、ストレスが腸の具合を悪くして、腸が悪いと脳で感じるストレスは増幅するという悪循環にも陥ります。

逆に言うと悪化した腸内環境を改善するのは難しいですが、ちゃんと改善する方法はあります。腸内環境を改善することで、脳に感じるストレスは軽減されていき、心身ともに健康で回復力の強い身体と精神になっていくと言えます。

腸内細菌の有無が思考や行動に影響している実験結果

人為的に体内外を無菌にした無菌動物の行動は通常の動物とは違う行動をします。

無菌マウスと、乳酸菌を与えたマウスをそれぞれ水の中に落としてストレスを与えてみると、無菌マウスは最初はもがきますが、4分くらいで逃げようとするのをあきらめ、ぐったりしてしまいました。一方、乳酸菌を与えたマウスでは、6分以上もがき続けました。

その後、両方のマウスの血液を検査してみると、ストレスホルモンであるコルチゾールが、乳酸菌を与えたマウスはも無菌マウスの半分ほどに抑えられていることがわかりました。つまり、乳酸菌を与えたマウスは、無菌マウスよりストレス耐性が強いことがわかったわけです。

さらに脳と腸を結ぶ神経を切断して同様の実験をしてみても、乳酸菌マウスと無菌マウスの行動の変化は見られなかったと言います。

これは腸から脳へという方向で情報伝達が行われているという証拠です。

脳は腸から派生した器官なのがわかる進化の過程

人をはじめとする哺乳類は脊椎動物です。脊椎動物は脊椎(背骨)を持ち、脳と脊髄がつながる中枢神経系を持っています。

脳や脊髄には多数の神経細胞があります。神経細胞は情報の伝達や処理を行います。生命のルーツを遡れば、神経細胞は、イソギンチャクやクラゲやヒドラが属する腔腸動物に初めて発生したといわれています。ヒドラはほとんどが腸の存在で脳も胃も心臓もありません。けれど移動してエサを捕まえて食べます。ヒドラの腸に沿う形で神経細胞のネットワークがありますが、その構造は哺乳類の腸にあるものとよく似ているそうです。

腔腸動物が進化して、ウニやナマコ、ヒトデなどの無脊椎動物や棘皮動物に原始的な神経ネットワークが発生し、次の進化ではナメクジウオやホヤなどの尾索類が持つ神経管ができて、次に脊椎動物にみられる脊髄と脳の中枢神経系に進化していったと言われています。

いわば、腸は最初の脳と言っても良いでしょう。

腸は他の臓器と違って脳が死んでも、腸はしばらくは消化液を出して食べものを消化しつづけます。生命活動において、生命を脅かす遺物が腸に侵入すると、腸が神経伝達物質を脳に送り、脳は吐かせたり、下痢させたりのフィードバックの信号を送ります。

さらに、腸内細菌がストレス反応に関わる反応系(HPA軸、視床下部、下垂体、副腎系)の発達に関与しているという研究報告もあります。

HPA軸とは、ストレスがかかったとき、それを感じ取った脳から指令を出し、副腎からコルチゾールなどのホルモンを分泌させる経路のことです。

コルチゾールは血糖値の上昇や炎症を抑える作用をしていますが、それが過剰に繰り返されると免疫力の低下を引き起こします。

異常行動を起こす無菌マウスに、通常マウスの糞便から腸内細菌を移植すると、ストレス反応の異常は緩和され、さらにビフィズス菌を与えると異常マウスは正常化しました。

さらに同じ親から生まれた、通常マウスと、体内外無菌にしたマウスの大脳を調べると、大脳内の代謝物に大きな違いがあることがわかりました。

通常マウスより無菌マウスに多く検出された物質は23種類。通常マウスより少なく検出されたのは15種類がありました。

無菌マウスに多く検出された物質=

〇ドーパミン(脳内の情報伝達に関わる神経伝達物質。快感や、脳を覚醒させ集中力を高めます。

〇セリン(脳を構成する神経細胞の細胞膜の材料。記憶や学習に関係している。統合失調症と関連性が指摘されている。

〇N-アセチルアスパラギン酸(正常な神経細胞の密度と関連する物質。アルツハイマーや多発性硬化症に関連)

自閉症では減少しているという報告もあります。

無菌マウスに少なかった物質=

〇芳香族アミノ酸(チロシン、トリプトファン、フェニルアラニンなど、神経伝達物質の材料です。前駆物質)

〇ピペコリン酸(てんかんに関連)

〇N-アセチルノイラミン酸(乳児の脳発達や行動に関連)

 

このような研究結果から、腸内細菌は、その宿主の試行行動に影響を与え、脳の発達や行動に関与していると考えられています。

自閉症の子どもには、悪玉菌を含む、クロストリジウム属の腸内細菌が多いことがわかっています。

腸内環境を改善するにはビフィズス菌を増やすことです。

ビフィズス菌は善玉菌の中で人の腸内にもっとも多く住む善玉菌ですが、偏性嫌気性細菌のため、空気の無い腸内では生きていますが、酸素のあるところでは死滅してしまいます。したがって酸素のある小腸ではビフィズス菌はあまりおらず、大腸に多く生息しています。

乳酸菌は酸素があっても生息でき、食べものから摂取することができます。

腸内では、大便1gの中に、ビフィズス菌が100億から1000億個ほどおり、乳酸菌は1000万から1億個ほどです。

ビフィズス菌は口から摂取することは難しいですが(酸素や胃酸で死んでしまうから)、乳酸菌などの善玉菌の死骸がビフィズス菌のエサになるので、

ヨーグルトや発酵食品から善玉菌を積極的に食べることが、善玉菌のエサが豊富になり腸内善玉菌を増やすことにつながります。

市販ヨーグルトはいろいろ食べて自分に合うものを見つけます。

ヨーグルト類は、食べてヨーグルトの中の菌が増えるのではなく、個人個人違う腸内細菌のエサになることで、一人ひとり違うもともと持っている善玉菌を増やすために食べます。生きたまま届くヨーグルトを食べても、排泄されてしまいますから、ヨーグルトは毎日食べる必要があります。

もともと持っている自分の腸内細菌と相性の良いヨーグルトを食べる必要があります。

一つの種類のヨーグルトを1週間以上毎日食べて、次に別の種類のヨーグルトを1週間以上食べて、自分で自分の腸内細菌と相性の良いヨーグルトを見つける必要があります。

また違った種類のヨーグルトを食べるほうが、個々のヨーグルトの細菌が活性化されて強くなるので、わざと毎日違う種類のヨーグルトを食べる方法もあります。

たまに違った種類のヨーグルトを食べるとお腹でガスが発生します。けれどそのガスは臭くありません。

しばらくすると腸内で菌同士の共生ができたのか?ガスの発生もおさまり、腸内絶好調になったりします。

腸内細菌も善玉菌同士で切磋琢磨させたほうが強い菌に育つように思います。定期的に違った種類のヨーグルトで腸内細菌を刺激しています。

みなさまも、できるだけいろんな種類の善玉菌発酵食品で、腸内細菌を鍛えてあげていただけたらと思います。

腸内細菌を育てるには、何を食べるかも重要です。

次回はどのようなヨーグルトにどのような菌が含まれているのか?

何を食べれば腸内細菌は元気になるのか?などについてお知らせしていく予定です。

ぜひブックマークなどしていただいて購読していただけましたら幸いです。

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