オステオポンチンとは、何ぞや? 老化の秘密がわかった!
オステオポンチンって、なんちゅうネーミングでしょうか?(笑)おもわず何それ?ってなります。オステオポンチンとは、老化の原因物質なのだそうです。老化を進める原因物質のオステオポンチンを減らせば、老化を止められるそうなのです。そんなオステオポンチンについて調べました。オステオポンチンを減らす工夫を取り入れたいですね。
TV番組でのオステオポンチン調査
「名医とつながる!たけしの家庭の医学」7月11日放送で、60代の男女数名のオステオポンチン量を測ってみたところ、60代で骨密度も実年齢並みの男性のオステオポンチンの量が9.26ng/mlであったのに対し、60代で骨密度が80代並の男性のオステオポンチン量は27.06ng/mlと、実に3倍近くもオステオポンチン量が多かったのです。
注目を浴びるきっかけは医学論文の発表
2016年4月、医学専門誌の「クリニカル ケミストリー アンド ラボラトリー メディスン」に載った疫学研究論文でした。
ニューヨーク大学のランゴーン医療センター所属の、循環器系専門医のファビアン・サンチス=ゴーマー博士のオステオポンチンの論文でした。
その研究内容は、100才を超え、大きな病気の無い「健康長寿」のグループと、一般の70代のグループの、血中のオステオポンチン量を比較するものでした。その結果、一般の70代のグループより、100才超えの「健康長寿」グループのほうが圧倒的にオステオポンチン量が少ないというものでした。この研究から、老化が進みにくい人は、オステオポンチン量が少ないということがわかり、オステオポンチンが、生物の老化を進める原因物質の一つであることがわかりました。
オステオポンチンとは傷の修復に役立っていた
オステオポンチンの「オス」は「骨」の意味で、「ポンス」は「橋」の意味で、オステオポンチンは「カルシウム」と「コラーゲン」を結合し、骨を形成するのに重要な物質です。しかし、腎臓の周りでオステオポンチンが増えすぎると、尿路結石になりやすいと言われています。
オステオポンチンは、赤ちゃんのときから、身体の中の様々な部位や臓器で作られています。たとえばケガをするとそこでオステオポンチンは作られ、免疫を活性化させ、傷口を治療する働きがあります。
しかし、この生存に役だっていたオステオポンチンが、老化を促進する物質となってしまうのです。
慢性炎症を起こすオステオポンチン
オステオポンチンは傷口を治すために免疫を活性化するのですが、普通は傷口が治ると炎症も鎮まり、オステオポンチンも消えてしまうのです。
ところがなんらかの原因で異常化してしまったTリンパ球が、本来ならオステオポンチンが存在していては困る状況でも、大量のオステオポンチンを分泌し、免疫系を活性化し続けてしまうのです。
免疫系がバランスを崩すと、身体の各所で小さな炎症が長期間にわたって続きます。これを「慢性炎症」と言います。この慢性炎症が身体にジワジワとダメージを与え、老化を早めるのです。血管で慢性炎症が進むと、心筋梗塞や脳卒中のリスクも高まってしまいます。
慢性炎症は、さらにアルツハイマーにも影響があり、慢性炎症を抑制することで、アルツハイマーなどの認知症を抑制できるという研究も発表されています。「ニューロバイオロジー オブ エイジング」に発表されています。
慢性炎症は、動脈硬化の他、糖尿病やガンの発生にも関係していることがわかっています。
オステオポンチンを増やす原因は?
オステオポンチンは加齢により増えるのではなく、若い人でも、内臓脂肪の多さでオステオポンチンを増加させていることがわかりました。
「ジャーナル オブ クリニカル インベスティゲーション」誌に掲載された実験結果によると、
脂肪(ラード)をたっぷりと含んだエサを食べさせ、内臓脂肪をつけ太らせたマウスと、脂肪分の少ない通常のエサを食べさせたマウスを比較します。
すると、内臓脂肪のたまったマウスからは、異常化したTリンパ球が大量に見つかりました。通常のマウスからは、異常化したTリンパ球はほとんどみつかりません。
内臓脂肪のたまった太ったマウスからは、血液中のオステオボンチン濃度の上昇がみられました。異常化したTリンパ球が、オステオポンチンを分泌しつづけていたからです。
ですので、若い人でも内臓脂肪の多い人は、オステオポンチン濃度も高くなっていると考えられます。
つまり、オステオポンチンを付さないためには、内臓脂肪を増やさないように、生活習慣を改める必要があるわけですね。
オステオポンチンを増やさないことが、老化を止め、成人病リスクを抑制するわけです。
オステオポンチンを減らす食べ物は?
オステォポンチンを減らすのに有効な食材は?現在研究中ですが、内臓脂肪を減らす食材についてはわかっています。
オステォポンチンを減らすには、内臓脂肪を減らすことが有効です。内臓脂肪を減らすには、常温で固まるラードのような飽和脂肪酸を控えるほうが良いです。不飽和脂肪酸は、Tリンパ球の異常を引き起こしやすいので、不飽和脂肪酸を含むオリーブオイルを併用することで、内臓脂肪を溜めにくくしましょう。
内臓脂肪を減らす青魚
サバ、サンマ、イワシなどの青魚は、EPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)を含み、脂肪を燃焼させ、中性脂肪が内臓につくことを防ぐ効果があります。エゴマオイルもDHAが含まれ、中性脂肪を減らします。エゴマオイルは加熱すると効果がおちるので、生でドレッシングなどに利用するとよいでしょう。
管理人が摂取しているDAH,EPA
脂肪燃焼に役立つナッツ
クルミやアーモンドなどのナッツ類は、ビタミンB6が豊富に含まれ、脂肪の燃焼を助けます。
管理人が食べているのはこのナッツの小分けタイプ。くるみとアーモンドとカシューナッツの子袋の詰め合わせ。全部で1.05kgあります。
一日に1袋以内と決めて、ついつい食べ過ぎるのをセーブしています。
内臓脂肪を減らすキャベツ
キャベツは食物繊維が豊富で、食物繊維は脂肪を吸着して体外に排泄する働きがあります。前菜として食べると食欲抑制効果もあります。
中性脂肪を抑制するトマト
トマトに含まれる「13-oxo-ODA」が血液中の中性脂肪の量を抑制し、脂肪の燃焼も助けます。
脂肪を吸収しにくくするキノコ類
シイタケ、マイタケ、えのき、などのキノコ類は、食物繊維も豊富な上に、キノコキトサンという物質が含まれ、小腸での脂肪の吸収をしにくくします。
腸内環境を整え代謝を高める根菜
大根、人参、ゴボウなどの根菜類は、食物繊維が豊富で腸内環境を整え、血行を良くして代謝を高めます。
脂肪の燃焼を助けるオリーブオイル
オリーブオイルは加熱にも強く、脂肪の燃焼を助ける「オレイン酸」が含まれます。動脈硬化を改善する報告もあります。
中性脂肪が内臓につくのを防ぐエゴマ油
DHAが含まれていて、中性脂肪が内臓につくのを防ぎます。血圧改善効果もあります。加熱すると効果が落ちるので生でドレッシングなどに使います。
脂肪の燃焼と取り込み抑制する緑茶
緑茶に含まれる「カテキン」は、脂肪の燃焼を促進し、脂肪の取り込みを抑える効能もあります。渋く濃く入れたお茶が効果的です。
注目がすすむオステオポンチンを研究するサイト
オステオポンチン研究でガンの特効薬も研究
オステオポンチンによる癌の浸潤・転移機構の解明 | 福島県立医科大学・医学部・生化学講座
オステオポンチン研究会
オステオポンチン (Osteopontin: OPN) は別名Uropontin, 2ar, BSPI, 44kD bone phosphoprotein,Eta-1とも呼ばれています。その存在は、骨基質に存在するタンパク質として同定されていますが、乳汁、胎盤、尿、白血球腎臓などの正常組織、および腫瘍組織にも見い出されています。OPNは破骨細胞のαvβ3と結合することにより骨吸収調節を行っている可能性があり、骨研究において注目されています。また、最近では血管内皮細胞への結合に関与し、癌転移におけるOPNが注目されています。
さらに、α4やα9インテグリン発現細胞と、トロンビン切断型のOPNとの結合が種々の炎症に関与している事実が明らかにされています。
薬物依存のマウスの脳にオステオポンチンを投与したところ、薬物依存が抑制されたという研究
薬物依存を抑える分子の働き、富山大学が世界初の解明 | 大学ジャーナルオンライン
マウスに覚せい剤を反復投与したところ、脳内で著しく発現量が増加する分子としてTEME168が見つかった。薬物依存は脳の神経伝達物質ドーパミンの増加で引き起こされるが、TEME168は別の分子オステオポンチンと結び付くことでドーパミン量を抑え、脳の側坐核という部分で発現量を増加させると覚せい剤依存症を抑えていた。オステオポンチンをマウスの脳に注入しても、依存症を抑制する結果が出た。
まだまだ医学の進歩において注目されるオステオポンチンですね。
慢性炎症を抑えるには、納豆が良いといいます。過去記事に納豆のポリアミンについてとりあげていますので、そちらもごらんください。
長寿の秘密はテロメアとポリアミン、サーチュイン遺伝子と、栄養素 | そこはかとなく愉しからずや : https://kuhuu.info/2017/09/19/tyoujyu/
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